【補助金の解説】事業再構築補助金とは①

こんにちは中小企業診断士、ストリートコンサルタントのCyphs(サイフス)です。

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このページは事業再構築補助金に係わる情報発信をしています。

以下のページにこれまでの情報発信をまとめていますのでご活用ください。

https://www.cyphsjp.com/money/jigyou-saikouchiku/wakaru/

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昨年末頃の補正予算の内訳の中に入り込んでいました。

通常は、ものづくり補助金が中小企業における支援パッケージとして毎年登場するのですが、菅政権の産業政策の方向性を踏まえてでしょうか、新規事業に含まれていました。

 

ものづくり補助金は、年々付加価値増加や賃金増加などの生産性の向上に目を向けてきましたが、企業のものやサービスの開発といった支援を通して成長を促すといことでは大きな方向性の変更はありませんでした。

 

当サイトの補助金のページにて今後解説していくことにしますが、とりあえず概要だけ示したいと思います。

 

 

事業目的

新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す企業等の取り組みを支援

申請要件

以下をすべて満たすことが求められます。

1.申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。

 

→直近6か月間ということで、いつを基準日とするのかは、公募要領を見ないとわかりません。しかし、3月公募といっているので9月頃のからの6か月間という設定だといえます。自社としてタイミングを合わせることができるかは今から考えてください。

 

また、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較するわけですが、持続化給付金などのように50%減ではなく、10%程度であれば減少している企業が大半ですから、申請者のすそ野は広いといえます。

 

2.事業計画を認定経営革新等支援機関(以下、認定支援機関)や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に 取り組む中小企業等。

 

→事業計画の策定を認定支援機関や金融機関と策定ということで、それらが策定に協力したという押印をすればよいという「もの補助」方式か、それとも本格的な作成支援を行うハンズオン型のどちらかでしょうか。

 

まだ、一体となっての意味が明確ではありませんが、後者であった場合は事業の再構築を連携して行うことになるため、申請を希望する企業様は信頼できる連携機関を探しておくことが求められます。

なお、求められる事業内容がかなり前向きなもの(業態を転換したり、ビジネスモデルのIT化の促進等)ですので、実務的にサポートできる機関と組んだ方が良いかもしれません。

 

3.補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、 又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成。 

 

→補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3%などを求めていますが、業態を転換する場合(例えば、飲食でイートインをやめて、テイクのみにする)などとした場合、そもそもの売上が減少してしまえば、営業純益の減少の可能性もあるため、利益を確保できるモデルに転換しなければなりません。また、イートインをやめることで従業員を削減して利益を出しても、人件費が減少してしまい付加価値額が上がらない可能性があります。

 

※付加価値額=営業利益、人件費、減価償却費

 

そのため直ぐに効果を求めるものではなく、3年以降で確認することになります。

 

または、従業員一人当たりの付加価値額の年率平均3%とありますので、人件費や人員削減による目的達成を防止する内容となっています。 

 

以上の要件を満たすことが求められますが、その対価として高額な補助を得られるようになっています。

 

しかし要件をみると、求められる内容は相当高いため、中途半端に金がもらえるからという理由で申し込むことはやめた方が良いです。