【事例】事業再構築補助金の書き方 製造業編

こんにちは中小企業診断士、ストリートコンサルタントのcyphs(サイフス)です。

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このページは事業再構築補助金に係わる情報発信をしています。

以下のページにこれまでの情報発信をまとめていますのでご活用ください。

https://www.cyphsjp.com/money/jigyou-saikouchiku/wakaru/

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事業再構築補助金のアナウンスが盛り上がっていますね。
金額も1兆5千億円と規模が莫大であるため期待が高く、有名補助金サイトで告知と予想が多く発信されています。
ただ、申請受付事務局も決まっていないため、当サイト含めて発信している情報はあくまで予想となります。

事業再構築補助金のキーワードを毎日発信することで、SEO対策として各サイト検索順位をあげ、お客様の流入を増やそうとしてるのでしょうね。

ただ、SEO対策として当サイトのような補助金テーマ新参ものでは中々響きません。。。


あくまで予想の情報が色々と流れていますが、前回のブログに記載したとおり、補助金の基本的なポイントは変わりません。
また、当補助金は事業を継続、進化させていく上での課題を補助事業で解決していくという点はぶれないと思われます。

これまでの補助金と何が違うのかを考えてみます。

例えば「もの補助」では、既存や新規のお客様が求めるニーズを満たす上で生じる課題解決のために設備を導入するイメージです。戦術的な個別課題を対策することで会社を改善していくことを評価していますので。もちろん、中小企業の戦術=戦略といえますので、イメージとしてとってください。
一方で、事業再構築補助金は、それよりも高い視点が求められると思われます。つまり、戦略としてどのように経営していくかが起点となると考えられます。そのため思考のプロセスがこれまでとは違くなる可能性があります。

今回は以下の事例から説明します。

製造業Aの事例(射出成形)

射出成形をメインに60年近く経営してきたA社は従業員30名程度の企業とします。
先代の営業力により数社インフラ関係の仕事を直接受注し現在に至っています。

当初は「標識や案内等」製造を請け負っていたがインフラの普及による一巡により、新規及び更新は少なくなり、市場は縮小しています。

もちろん現社長(3代目)は、新たな需要を作り出すために、視認性の高い標識等を提案してきたが、同業他社も積極的な提案を同じ売り先にしかけており、当社が1人勝ちとは言えない状況といえます。


当社が存在する業界は参入者数が少なく、かつ参入障壁は高く閉鎖的な市場ではあるが、発注大手も取引先を絞る事はしておらず、ある一定のパイを分け合う状況が続いています。


そこで当社では、7年前から樹脂による特殊な手すりの製造を開始し、付き合いのあるインフラ会社で「歩行に際するバリアフリー対応として」売り込み、取引先(部署)が増える状況にあります。

しかし、手すりの製造に当たっては、自社の樹脂の部品以外のパーツが多くなることで、仕入れと、特殊形状に合わせた部品加工を外注することが多くなりました。様々パーツの見直しや部品点数の削減などを行ってきましたが、なかなか原価を落とすことができません。損益分岐点が高くなっている状況といえます。

 

そんな中コロナ感染症が発生し、インフラ業界においても飲食や直接サービス程ではありませんが、需要が減少しました。当社は人の移動に際して必要な製品を提供しているわけですから、人の移動が減退すれば、安全を守るために必要な投資以外は動かないことになります。

社長は、状況の変化に対応していかないと会社が持たないと考え、対応を考えることにしました。

 

ケースを「もの補助」で考えると

もの補助を目指すのであれば、以下への対応が前提となります。

1.内製化によるコスト削減による利益率(付加価値)の増加

2.内製化によるリードタイムの向上を前提として急な依頼への対応力を高める(納期)

3.内製化による仕様変更の向上を目指すことで、様々な顧客の要望を具体化する(品質・形状)

4.提案力向上による新規顧客の開拓

上記が課題であり、それを満たすためのボトルネック加工に対応した機器を導入する

 

以上は、ものづくり補助金の典型的な書き方だといえますが、記入に当たり絞り込んでいる視点としては、工場内の作業工程を変えることで、会社の利益を変えるというところです。

 

ケースを「事業再構築補助金」で考えると

事業再構築補助金で考えるともの補助とは違う考え方だと推測しています。

1.今後の取引先や潜在的顧客のニーズ変化を読み取る

2.進むべき方向性、ビジョンを設定する

 お客様へのサービス価値を高める「総合製造業(メーカー)」としての機能を高めていく(業界の変更)

3.そのビジョンに到達するためには「内製化」による対応力を向上する必要がある

4.対応力の向上は、外注している作業を内製化できる機器の導入、メーカーとしての在庫管理機能(在庫・生産管理システム)、人材育成(多能工及び技術営業によるサービス提供力)により実施する

5.4を達成することで、既存の取引先においてはニーズへの対応力を向上して付加価値を高めることができる。また、新規市場への参入も可能となる

 

以上のように「会社全体」としてどのように戦略を立てて、新たな展開を始めていくかということが求められると、Cyphsでは予想しています。

いわゆる思考のプロセスが違うのではないでしょうか。

その思考のプロセスに変えていくことが採択につなげるうえで重要となると予想しています。

 

あくまでご参考にしてください。