【市場分析の仕方】事業再構築補助金の申請・書き方

こんにちは中小企業診断士、ストーリーコンサルタントのCyphs(サイフス)です。

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このページは事業再構築補助金に係わる情報発信をしています。

以下のページにこれまでの情報発信をまとめていますのでご活用ください。

https://www.cyphsjp.com/money/jigyou-saikouchiku/wakaru/

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事業再構築補助金の準備において事前の準備について強み・弱み、市場分析をSWOT分析・PEST分析にて解説しました。

PEST分析においては、訂正的な市場分析を主に伝えましたが、定量的な市場規模を示すことができれば、申請書の信憑性が高まります。

今回は、市場分析の手法を含めて説明していきます。

中小企業向けの分析ステップ

中小企業向けの分析ステップとしては、以下のように考えられます。

  1. 参入・事業展開市場の規模と参入障壁・競争レベルの確認
  2. 明確なお客様のイメージと数(売上単価や価格から積上した売上規模)
  3. 営業活動や引き合いによる増加の推移(中長期的な市場規模)
  4. 損益分岐を踏まえた営業・経常利益の確認

4は事業計画の数字として使いますが、自社としても投資をする訳なので、事前に検討しておいた方が良いと思います。

 

1.参入・事業展開市場の規模と参入障壁・競争レベルの確認

〇参入市場、事業を展開する市場規模を考える。

大手であれば、明確な市場規模が求められますし、最低でも数十億円無い市場には参入しないなど、参入・展開市場の規模が市場参入の意思決定において重要な情報といえます。

大手では、地域や産業規模、人口動態、社会的なトレンドなどを複合的に判断しています。

 

一方、中小企業にとって大手と同様の市場を見ても仕方がありません。また、人口と年齢などの属性でみたとしても製造業であれば、最終ユーザーが使う部品であったりします。もちろん、飲食やサービスなどであれば人口や年齢は市場規模を図るうえで重要な物差しになりますが、あくまで地域を絞ったうえで判断することになります。

そのため補助金の申請書を書く際には、自身の立ち位置を理解していることを示すうえでも、日本人の数%に使ってもらえるビジネス等と示すことはやめましょう。

審査員は、「?」となって、根拠がない市場だと判断しかねません。

〇参入障壁・競争レベルはどの程度か

参入障壁が高く入れない市場を選択していないかチェックします。参入しようとしても入り込むことができない市場を対象とした場合、審査員は中々参入が難しいことを知っているため、実現可能性が低いと捉える可能性があります。

もちろん政治的な圧力を使って入り込むことができるのであれば、参入の実現性を示せばよいといえます。

また、参入した後の競争の度合いも気になるところです。

参入しても競争が激しく、プレイヤーが過当であれば目的の達成までの道のりは厳しくなります。中小企業としては、差別化した敵の少ない業界へ参入する方が勝機は比較的高くなると思われます。

ただ、必ず差別化戦略を求めているわけではありませんので、トレンドの市場で勝ち残るビジネスモデルがあれば示せれば構いません。

 

まずは、本当に本当に参入すべき市場があるかを考え、誰にでも理解してもらえる説明かどうかを社内で話し合ってみてください。

2.明確なお客様のイメージと数

ここからは定量的なフェーズに入ります。

参入市場に定性的に入り込める、勝ち残っていけると判断したのであれば、それを定量的な視点で示していくことが求められます。

 

〇製造業で考えてみる

・既存取引先の深耕

 お客様との取引の中で、新しいサービスを求められており、一定の額で販売できるとすると

 既存顧客の数×サービス提供可能数×単価=既存顧客から生まれる売上

・新規顧客の開拓

 新規顧客に対して既存製品と新しいサービスを提供し、一定の額で販売できるとすると

 新規顧客の目標数×既存製品及びサービス提供可能数×単価=新規顧客から生まれる売上

加えて、上記に継続的な連続性が発生するサービスとすると「サービス」においては、月単位や四半期、半年単位で売上を積み上げることが可能となります。

 

その他の業界でも同様に考えてみてください、地域が限定されるのであれば、周辺のお客様の数を年齢や所得、家計支出などで割り出し、そこに対して商売を仕掛けるとすれば割り出せます。

また、インターネット販売であれば、サイトの流入数と既存の購入数を比較して、購入までの確率を上げることで、市場規模を判断することが可能となります。

市場規模をなるべく見える化することが重要といえます。

 

3.営業活動や引き合いによる増加の推移

市場規模は短期的な目線だけで考えてはいけません。中長期的にどのくらいの規模になるかも重要です。

つまり、成長市場であれば規模が大きくなっていき、衰退市場であれば規模が小さくなっていきます。

そもそもの日本の人口動態を考慮すれば、成長モデルは中々ありません。

革新的な技術変化による市場の洗い替え等が生じた場合は、一定期間成長市場となりますが、いずれ新たなゲームチェンジが発生します。

そのため上記で述べているように差別化した市場の中で独占をしていく、「小さな市場シェアの最大化」を目指すイメージで市場の成長を考えることも一つの手だといえます。

 

ここがしっかりとできると最後の損益分岐点分析が適切にできます。

 

申請前準備大変ですが頑張ってみてください。