【事例】事業再構築補助金の書き方 飲食店③

こんにちは中小企業診断士、ストーリーコンサルタントのcyphs(サイフス)です。

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このページは事業再構築補助金に係わる情報発信をしています。

以下のページにこれまでの情報発信をまとめていますのでご活用ください。

https://www.cyphsjp.com/money/jigyou-saikouchiku/wakaru/

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飲食店、飲食業における事業再構築の事例(あくまで想定ケースですよ!)第3弾です。

これまでの事例はこちらです。
・第1弾
・第2弾

D社の場合

飲食店D社はタイ、トルコ、台湾料理を取り扱い、郊外の駅にドミナント(集中出店)しています。

ドミナント出店により材料の共同仕入れ、分配ができるという点とアジアの料理ということで使用する香辛料が近い点、店舗の繁忙により従業員を分配できることで、コスト管理に強みを持っています。

また、各店舗ともに本格的な味を追求していますが、酒のつまみになるようなものは、兄弟店舗から取り寄せ各店風にアレンジし提供することで、各店舗への誘導も意識しています。
もちろん、せっかく専門化した特徴が崩れないように中途半端なタイ風トルコ料理のようなコンセプトが崩れることは避けるため、各店舗の店長達と週一の打ち合わせをしています。
都心の一等地への進出は長期的に考えていますが、まずは郊外の駅前での拡大を目指す予定です。

そんな中コロナが発生しました。
緊急事態宣言時は、駅前の他店がドミノ倒しで休店する中で同じように休店に迫られました。
その後再度開店しましたが、店舗にお客様が戻らないためテイクアウトを開始しました。しかし、周囲の店舗もテイクアウトを行っているため、競争は日に日に厳しくなりました。
都心の出店も無かったため賃借料は押さえられましたが、駅前であるため負担が軽いとはいえません。

Uber eats等も導入し宅配もはじめました。Uberのコストがのりましたが、コスト耐性はあるため客単価にあまりのせないようにしても何とかしのいでいます。

家賃、時間短縮給付金を活用しつつ耐えてきましたが、このまま続けてコロナも中途半端な状況が続いた場合持ち堪えられないのではないかと考えるようになりました。

そんな中で事業再構築補助金を知りました。

新たな業態転換への模索

D社は既に業態転換しているわけですから、違う取り組みを考える必要があります。

社長は業態を転換するとしても無理な投資は厳しいと考えていました。
下手に店舗を圧縮してしまいケータリング専門店にしてた場合、コロナ後の外出増加の際の機会ロスを恐れたためです。

違う方向性を模索する中で、自社の分析をすると付加価値をあげるうえで収益をもたらすのはアジア料理としての香辛料にあると考えました。
インドア消費を強制されてきましたが、家での楽しみ方がグッズや宅配等で向上したことにより消費のマインドが大きく変わった点はしばらく続くと考えました。外出はするが自宅での遊びも充実するということです。

そんな状況において自社のオリジナル香辛料を使うことで自宅の料理の味変を提案することで、日常の生活スタイルに溶け込むことができるのではないかと考えました。

自宅でエスニックを味わえる香辛料、ソース、タレ等を考えることとしました。家で一品に加えていただく存在として確立することを目指しました。

対象経費はどうなるか

対象経費としては以下のものを想定しています。

・各店舗スペースの改修

 スパイスを調合しているブースを作るための改修工事費
・スパイス業務用粉砕機
・スパイス充填機
・スパイス活用のためのレシピサイト、販売用WEBサイトの開設
・クラウド費用
・WEB用発送のために借りたスペースの倉庫、発送場所への転換工事

その他にはオリジナルパッケージを制作したいた考えていますが、対象外といえるため申請しないことにしました。
(販促費に含まれている可能性はありますが)

費用としては実演スパイス調合室の工事と店舗の圧縮に伴うダクトや空調の位置変え、湿度コントロールができる倉庫と冷凍庫類のコストが一番負担となるため非常に役立つ補助金といえます。