【分析】新分野展開で申請するうえで最低限認識すべき事項

こんにちは中小企業診断士、ストリートコンサルタントのCyphs(サイフス)です。

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このページは事業再構築補助金に係わる情報発信をしています。

以下のページにこれまでの情報発信をまとめていますのでご活用ください。

https://www.cyphsjp.com/money/jigyou-saikouchiku/wakaru/

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事業再構築補助金では、事業再構築指針に基づき「事業再構築」「中業企業卒業枠」「中堅企業グローバルV字回復枠」の3つのテーマが設定されています。

事業再構築テーマでは、新分野展開、事業展開、業種転換、業態転換、事業再生の5つのパターンを想定しています。

 

指針の手引きを見ても「よく分からない」「難しい」「理解できない」というお声があります。

最初から計画書を作りこむのではなく、最低限押さえておくべきこと「申請者が踏まえるべき前提」を押さえることが重要です。

はっきりとしているのはバラマキではなく、難易度が非常に高い補助金だと認識して、本気で取り組む必要があります。

 

当ブログでは、事業再構築テーマの各パターンにおいて求める要件に基づき最低限クリアしていなければならない事項を解説していきます。

 

今回は「新分野展開」について考えてみます。

 

1.新分野展開とは

新分野展開は、新たな製品等で新たな市場に進出することを指しますが、主たる業種又は事業を変更しないということが前提となります。

 

〇主たる業種とは

日本標準産業分類に基づく大分類で指す「農業」「製造業」「情報通信業」「宿泊、飲食サービス業」「サービス業」「 サービス業(他に分類されないもの)」などを指します

 

〇主たる事業とは

日本標準産業分類に基づく中分類、小分類又は細分類の産業です。

中分類:農業、食料品製造業、情報サービス業、宿泊業、飲食店、 洗濯・理容・美容・ 浴場業、 その他の生活関連 サービス業

小分類:耕種農業、畜産農業、 調味料製造業、 ソフトウェア業、情報処理・提供サービス業、 旅館・ホテル、 食堂・レストラン、 理容業、 旅行業

 

「又は」となっていますので、どちらかの変更は認められるといえます。

 

ただ、製造業からサービス業になった場合、紐づく中分類、小分類、細分類が変わってしまうため、すべてが変わることになるため、あくまで製造業の中で事業を変更するということが主といえます。

 

ただし、業種を変えるケースとして次のようなものが考えられます。

電気部品製造業がロボットを製造していたが、システムやプログラムに強みを生かして、情報通信業に転換するようなケースとなります。中分類や小分類は変わってしまいそうな気がするので、指針の事例にあるように事業を変更することで良いといえます。

 

業種を変更するのは業種転換も同じですが、新分野展開では要件として売上高の10%以上を占める計画としますが、業種転換は業種を明確に変えて売上が新事業の占める割合が最も高い構成比にすることを求めており、そこに大きな違いがあります。

会社として新規の分野にかけるような場合は事業転換となり、それ以外は新分野展開というイメージかといえます。

 

2.新分野展開に該当するためには

以下のすべてを満たす必要があります。

・製品等の新規性要件

・市場の新規性要件

・売上高10%要件

 

(1)新規性要件

①過去に製造等した実績がないこと

 過去に製造したことがある製品等の再製造は不可です。

<例>

大分類でいう製造業において、食料品を製造しているとします。これまで製造したことがない加工食品を製造することは対象となります。トマトの加工食品のシリーズを増やすだけの場合は対象とならない可能性があります。

 

②主要な設備を変更すること

主要な製造設備を変更しなければなりません。

<例>

加工食品で考えるとカット、煮込み、パッケージ封については、同じ設備でできてしまうため対象外となります。

ここで加工食品の中で、チルドが中心だとすれば、缶詰に参入するため、缶詰の機械を導入することは対象となると考えられます。

 

③競合他社の多くが既に製造等している製品等ではないこと

競合他社が製造している製品は不可となります。

<例>

加工食品の缶詰は、食品製造業の競合他社が製造している市販されていますので、通常の缶詰では不可かもしれません。ただし、自社の競合である食品加工会社に絞るとチルド、冷凍食品、お弁当等を製造していることを示すことができれば対象となり得ます。

つまり、SWOTにて競合を見定めた上で参入市場、事業計画を書くことが前提となります。これができないと採択は厳しいでしょう。


また、参入先の競合との違いを明確にするためにも缶詰として扱われていなかった素材の採用か、缶詰を開けると液が混ざりフレッシュなソースが完成するなどの工夫を考えます。

 

④定量的に性能又は効能が異なること(計測できる場 合)

製品の性能や効能が定量的に説明できることが必要です。

<例>

定量的に缶詰の機能は計測できますが、保存年限の性能ではなく、効能の違いを示すことの方が説得力があるため、缶詰を開けると液が混ざる仕組みによる新たな効能の提案をベースとすることにしました。

 

(2)市場の新規性要件

①既存製品等と新製品等の代替性が低いこと(必須要件)

②既存製品等と新製品等の顧客層が異なること  (追加評価項目=任意)

 

上記の食品加工会社でみれば、主たる食品加工はチルドであるため、缶詰は代替性(関係性)が低い(薄い)ことがわかります。


顧客層についてはスーパー等を主とした場合は、顧客層が異なりませんが、売上が落ちるということはありません。そのため関係性が薄いということになります。


しかし、顧客層が同じであるため追加ポイントは得られないと思われます。ただし、エンドユーザーでみれば違いはあるため、そこを訴求した方が良いと考えられます。

 

(3) 売上高10%要件

取組事業の売上高が事業計画期間終了時点で総売上高の10%以上となる計画を策定する必要があります。

 

事例でいえば缶詰の売上が事業期間5年終了時に10%以上となるビジネスモデルを示すことが必要となります。

 

以上が新分野展開の絶対に抑えるべき事項です。

参考にしてみてください。