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家賃支援給付金の注意点について

こんにちは中小企業診断士、ストリートコンサルタントのCyphs(サイフス)です。

 

直近に家賃支援給付金の申請について相談がありました。

この手のものは基本的に対応していないのですが、2021年1月15日までが締め切りということで、該当する企業さんからの急な相談に至ったわけです。

 

今回はその企業様の問題になった点だけを了承の元で述べたいと思います。

なお、この相談は法人企業を前提としています。個人の方には役に立たないかもしれません。

 

①法人事業概況説明書の有無

法人事業概況説明書は平成18年度の税制改正の中で提出が義務化されましたが、罰則規定がなく申告自体に影響がないため、提出されないケースが散見されます。しかしながら、等給付金や補助金等を含めて申請に必要なため、慌てる方がいるのです。通常税理士などが入っているので提出されますが、法人でも比較的規模が小さく、節税効果が少ないような業界や補助金などに無縁の業種等においては「見えない存在」になりがちです。

これは持続化給付金の際でも同様な問題がありました。また、東京都の助成金においても必要となります。

その企業さんは、提出している年(期)としていない年(期)があり、悪気があったわけではありませんが、失念していたとのことです。

税務署さん(国税)と調整し、提出年度の法人事業概況説明書の受理をしてもらうことにしました。

 

②期間の定めのない賃貸借契約書

提出書類に賃貸借契約書が存在します。これがなかなか分かりづらい内容になっています。

西暦2020年3月31日までに契約されているものであることが前提です。

そのうえで口頭契約を含めた様々な契約が対象となる可能性があります。

その企業様は、契約書も有していますが、よくある期間の定めのない契約を結んでいました。平成15年1月1日から平成15年12月31日まで、ただし期間満了の1か月前までに契約解除の通知が一方からない限り契約が1年(1か月)延長されるというものです。

この場合期間が継続しているし支払いとしての事実があるんですが、賃貸借契約等証明書というものを提出する必要があります。例えば2020年3月31日から現在までの契約が存在することを証明するものです。この期間は賃貸人と相談してあくまで目安とお伝えして記入ください(10年後に設定すれば賃貸人がちゅうちょするかもしれません)。

これで今年度の契約として2021年3月31日までなどと契約が有効である旨を示す必要があります。

 

③振り込みの仕分け

家賃や駐車場代をある一社にまとめて支払っている場合、通帳では総額でしか支払いが表示されません。補助金でもよくあるのですが、支払いの内訳を様々な資料から特定させます。今回の給付金においては内訳の証明では足りず、賃貸人からの承認が求められます。そのため支払実績証明書が必要になります。

 

④振込人と申請者の違い

業歴は長いため先代が個人事業主の頃に契約した契約が継続していて、先方からの指定で先代の口座から振り込んでいました。そのため、現契約人との相違が出てしまいました。そのため、③の振込同様支払実績証明書が必要になります。

 

上記が今回の申請に際して対応した内容です。

 

業歴が長く支払いがバラバラになっている会社さんは大変でしょうね。

 

その他にも様々なケースがあるかと思いますが、とりあえず相談窓口にお電話いただいて確認してみてください。

今冬も業況が厳しいと予想されるので、なるべく受け取り乗り切ってください!