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中小企業は社会の公器

こんにちは中小企業診断士、ストリートコンサルタントCyphs(サイフス)です。

 

コロナ感染症の影響を受け、急激にダメージを受けた会社は倒産、じんわりと影響が出た中小企業や何とか我慢してきた企業は、廃業、倒産の不安を抱えています。

これらの企業が昨日25日の政府の「不要不急の外出」や「我慢」により、人移動=キャッシュの移動が制限されることで追い打ちを受けそうな状態です。もちろん、医療機関の負担が限界まで来ているわけですから、仕方がないとは思います。

医療が駄目になっても結果として経済が停止することになりますし、医療の負担を抑えるため、人の命を守るために行動を抑制することも経済に直接的にダメージを与えてしまいます。いずれにしても働く場所を失う方がでてくる訳ですから。

今まで当たり前に存在していた働く場所の存在の重要性に改めて気づかされた方も多いかと思います。私もその一人ですが。

そんな労働者である我々を受け入れている会社という存在について改めて考える機会としたいと思います。

 

最近社会的事業家、起業家等という存在を大切にしようと考えられることが多くなりましたが、CRS、SDGsの観点から今後も注目されるでしょう。しかしながら、その他の企業が社会的な事項に関わっていないかといえば、全くそういう分けではありません。特に日本の雇用を支えている中小企業については、その社会的な価値というのは重要だと考えています。

 

私自身も中小企業の経営者の息子として社会的起業家と持続している企業を切り分けて考えていることに違和感を感じてきました。

さまざまある社会的課題に特化し、解決をテーマとして活動していることだけが是、つまり素晴らしいということなのでしょうか。

 

中小企業は、従業者を雇いそれらの家族まで養っています。それで地域のコミュニティが成り立っているところすらあります。

また、経営理念の中で従業員とその家族の幸福までに責任を持とうとする会社もあります。

そのように考えると社会的な貢献は十分過ぎるともいえます。

中小企業は狭い範囲かもしれませんが、お客様、従業員、地域、外注先含めて「金」という目線で貢献してきました。

考えてみてください、このコロナで中小企業が成り立たなくなることで大いなる不幸が多数発生しています。

今まで空気のような存在だったものが社会においてなくてはならない存在であることを証明したといえます。

 

なお、コロナにより中小企業が急減するとなれば、多くの労働者は移行期間を設けることができないため、その従業者の別の雇用へのスイッチは困難といえます。特に、労働集約型の産業ではスイッチが厳しいと思います。つまり、ハードランディングという形で経済に大きな影響を与えることになります。職業訓練すれば即スイッチ可能というわけではないのです。

 

もちろん経営として成り立っていない企業まで残す必要は残念ながらありませんが、何等かの取り組みにより社会や従業者に対する責任を取り続けようとする企業への持続するサポートは必要かもしれません。

中小企業を潰したところで規模が大きくなり、中堅企業が増えて競争力が高まるかは微妙です(大いなる社会的実験が始まるのかもしれません)。

コロナ革命として後で結果的に捉えられるかもしれませんが、その革命による影響は歴史書で読む人の不幸の数で我々は捉えるべきでないと考えています。

 

なお、中小企業の廃業を促すのであれば特に労働集約型の産業からの移行分野はしっかりと設定するべきだと思います。

外国人に任せづらい仕事も中にはあります。以下を設定してもスイッチは非常に厳しいといえますが。

・交通インフラメンテナンス

・鉄道の保線

・リサイクル

・清掃

・農業、林業

・介護

 

一方、比較的規模の大きな企業出身のホワイトカラーであれば上記のような産業を受け入れないため、少ない雇用先を競争で奪い合うことになります。なお、それによる人材紹介というサービス業界は活発化しますので、企業が人の需要と供給を市場で調整する時代に突入するとも考えられます。

 

以上を踏まえると企業の存在が我々労働者に与える影響というのが非常に重要だと気づかされます。日本の労働者の多くはまだ職のスイッチングに十分適用できているとは言えません。つまり、スイッチングを促しているが、それを肯定的に捉えている社会ではないということです。このマインドの変化を促すことは容易ではありません。だからと言って今まで通りでよい訳ではないですが、企業の最重要機能として、労働者を支えている機能を見落とさないで進めていくことが重要だと考えています。それが日本の良い文化を作ってきたとも言えますので。

 

このコロナによる分岐点は日本をどのように変えていくのでしょうか。

 

私は一人のコンサルタントとして企業様の新しい変化に対応できるように新しい考えをもっていくとともに、中小企業が社会の公器であることを証明するお手伝いをしていきたいと考えています。