【補助金の深掘り解説】事業再構築補助金のFAQについて

こんにちは中小企業診断士、ストリートコンサルタントのCyphs(サイフス)です。

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このページは事業再構築補助金に係わる情報発信をしています。

以下のページにこれまでの情報発信をまとめていますのでご活用ください。

https://www.cyphsjp.com/money/jigyou-saikouchiku/wakaru/

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事業再構築補助金のFAQから、どのような制度か深堀してみます。

 

事業概要

新分野展開や業態転換、事業・業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等の事業再構築に意欲のある中小企業等を支援する事業です。詳細についてはPR資料(p.19)や概要資料をご確認ください。

 

→様々ニュースサイト、経済産業省等のページを確認しましたが、2月5日時点で目新しい情報はありません。内容をみるとアフターコロナ以降の社会、経済、文化を含めた大きな変化に対応したすべく、事業転換が必要な企業を対象としています。

 

つまり、これまでのように段階的に成長するものに資金を提供するのではなく、抜本的な取り組みに対して資金を提供することを目指したものといえます。

 

従って単純な売上なために取り組みをするのではなく、自社のヴィジョンを達成する、あるべき姿に向けて動きだす企業であることをアピールしなければなりません。また、そのあるべき姿に到達するうえで自社にとって不足していることは何かを、具体的なビジネスモデルとともに示す必要がありそうです。

申請はいつから

現時点では3月を予定しています。今後、詳細な日程については本HP等を通して公表させて頂きます。

 

→初めての運用でかつ、もの補助と比べても大型な金額を基金で運用することになります。そのため準備や運用テストの観点から3月中旬以降になるのではと考えています。

ただ、運営委託先は独法や財団法人等となっていますので、国としてはある意味宛があるのかもしれません。運営が国に近いのであれば、3月初めのアナウンスということもあり得ます。

事業再構築補助金の申請に必要なGビズIDプライムはどのように取得するのか

GビズIDは、1つのID・パスワードで様々な行政サービスにログインできるサービスです。GビズIDのHPにある「gBizIDプライム作成」からアカウント発行申請ができます。

GビズIDプライムの発行には、申請から通常2~3週間要します(発行申請の状況によっては、3週間以上要する場合がございます)。本補助金のご活用をお考えの方は、事前のID取得をお勧めします。

 

→国の申請はデジタル化の促進を進めているため、基本的にWEB申請です。今すぐ申し込んでください。

事業再構築指針や公募要領はいつ公表されるのか

現時点では未定です。事業者の方々が事前に申請の準備をしていただけるよう、公募開始前には公表することを予定しております。

 

→公募要領はないですが、生産性向上を求めていることから付加価値額、率に焦点を当てた計画を作成し、公募要領の発表後微修正する方が良いと思われます。

中堅企業の定義はあるのか

現時点では未定です。公募要領等で提示いたしますのでもうしばらくお待ちください。

 

→中堅というのを何を持って定義するかは難しいですが、大手との直接取引、一定程度のヒト、モノ、カネが継続的に続いていること、自社がサプライチェーンの中核であること等様々な視点がありますが、分かりやすいのは資本金や従業員数となりますが、ファブレス等を踏まえるとそれらでの切り分けは難しいかもしれません。

小規模事業者や個人事業主も対象となるのか

対象となります。支援の対象となる中小企業の範囲は、中小企業基本法と同様となります。

 

→小規模も対象ですが、持続化補助金のような微小な取り組みではなく、業態を展開するような取り組みが対象となると思われます。

認定支援機関とは何か

「認定経営革新等支援機関」のことを指します。詳細は中小企業庁のホームページに掲載されている「認定経営革新等支援機関一覧」をご覧ください。

 

→もの補助同様認定支援機関のサポートを求めていますし、抜本的な取り組みであれば金がかかるため、金融機関との連携も明示されています。

 

卒業枠とは何か

事業再構築を通じて中小企業から中堅企業又は大企業へ成長する事業者を支援する特別枠となります。通常枠に比べて、補助上限額を1億円まで引き上げ、より手厚い支援を行います。卒業枠を利用する事業者は①事業再編等、②新規設備投資、③グローバル展開のいずれかにより、資本金又は従業員を増やし中堅企業又は大企業へ成長していただくことが条件となります。

 

→大掛かりな見直しや事業転換が必要であると読み取れます。求めているのは、縮小均衡的なことではなく、事業の拡大により従業員が増えることや1人当たりの給与が増えること、利益を出しつつ減価償却費をこなす大企業の財務運営も結果として求められそうですね。

 

売り上げ減少要件の「コロナ以前」とはいつを想定しているのか。また、「任意の3か月」は連続していなければならないのか

売上高減少要件の具体的な確認方法や考え方は、公募要領等で詳細を提示いたしますのでもうしばらくお待ちください。また、「任意の3か月」は連続している必要はございません。

 

→上手く企業で売上減少月を選定できれば対象者が増えるかもしれません。

 

ものづくり補助金などの他の補助事業との併用は可能か

原則として、同一の事業や機械装置等に対して、複数の国の補助金を受給することはできません。ただし、他の国の補助事業とは別の事業を行う場合は、補助対象となり得ます。

 

→当たり前ですね。

認定支援機関への報酬は必要か。また、報酬は補助対象となるのか

中小企業庁が認定支援機関への報酬を必須とするような要件は設けていません。それぞれご利用頂く機関と御相談下さい。また、補助金申請の際の資料作成に係る経費(認定支援機関に対する事業計画策定のためのコンサル料等)は補助対象外となります。

 

→コンサルタントは、採択までの支援による成功報酬で稼ぐ形でしょうか。

申請に際して、概要資料の「対象」に記載されている3点(①売上高の減少 ②認定支援機関等と事業計画を策定 ③付加価値額の増加)は全て満たす必要があるのか

全て満たす必要があります。③については、当該条件を満たす事業計画を策定していただくこととなります。

 

→イメージとしては、コロナの影響もうけ売上が減少している企業が、アフターコロナに向けて認定支援機関や金融機関と連携し、事業の見直しをコストカットなどの改善ではなく、事業そのものの見直しの視点で進めていく計画を求めていると考えられます。

付加価値額の定義は何か。また、付加価値額増加の要件を達成できなかった場合、補助金の返還等のペナルティはあるのか

付加価値額の定義は、営業利益、人件費、減価償却費を足したものとする予定です。補助金の返還等のペナルティについては、現時点では未定です。

 

→付加価値額は、営業利益、人件費、減価償却費を足したものです。単なるコストカットでは営業利益が上がっても、人件費または将来の収益につながる減価償却額が減る可能性もありますので、バランスのとれる計画が求められます。

 

各FAQに対する補足をしましたが、これまでの補助金と違い前向きかつ、チャレンジングな反面、成果も高く求められるため、経営者だけでなく従業員も含めて計画に一丸で取り組んでいけるテーマを選定できると上手くいくのではないでしょうか。