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残存者利益について

こんにちは中小企業診断士、ストリートコンサルタントのCyphs(サイフス)です。

 

残存者利益というキーワードを知っていらっしゃいますでしょうか。

私自身ある業界の経営において残存者として残ったことで、その後成長の道筋を経験したことがあります。

 

残存者利益はどのような状況で発生するのでしょうか。

・バブル崩壊、リーマンショック等

・阪神大震災、東日本大震災等

・人口動態の変化による経営者の高齢化

・政策的な変化(増税、支援産業の変化、規制強化)

・戦争

 

日本を取り巻く状況を見るとすべてが当てはまるといえます(戦争はよくわかりませんが)。

 

一つ事例としては古いのですが、建設業界が挙げられます。

バブル崩壊前、建設業界は3Kで裸一貫で勝負できるということで参入する人が多く、一人親方含め小規模企業が乱立しました。

その後バブルが崩壊し、単価は型枠大工でも1日1万ちょっとという時期が来ました。

それにより多くの企業がつぶれていきました。

それでも最低賃金以下の企業は、その日暮らし的な経営をしてきましたが、現場において労働災害を減らす、職人への社会保険の検討、職人の高齢化などを経て、数が減ってきました。特に、大手に関わる業者は、技術、5S、社会保険適用が必須となり、それらを満たさない会社ははじかれるようになってきました。

こういった状況においても絶えず経営を進化させ続けてきた企業については、企業の淘汰が起きている状況でも成長することが可能となり、それに見合った単価の向上が図られるようになりました。一方で対応できなかった企業は存続できなくなりました。

これにより新陳代謝が活発になり産業の健全化が促進され、残った企業の生産性が向上したといえます。

 

このようなことは今回のコロナ感染症でいえば、飲食店やサービス業でも同様かと思います。

最初は融資や給付金を期待できますが、しばらく経てば支援の打ち止め、足腰が弱った中での競争が待っています。すでに倒産が増えていることが示唆しますが、このような状況はしばらく続くことになります。

 

私としては企業さんが数多く残ってくれればと思いますが、そうはいかなと考えています。

 

そういった意味では残存者として利益を得られるような地道な戦いへの準備が必要となりますので、気に留めていただければ幸いです。

 

そういった状況に対応すべく政府としても中小企業者等事業再構築補助金(事業再構築補助金)によって事業の転換、新規事業を求めています。

残存者利益を得るためにはこの状況で生き残り、新たな成長をしていくしかありません。

 

 皆様、生き残って未来を勝ち取りましょう。