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「段取り人」の育成

こんにちは中小企業診断士、ストリートコンサルタントのCyphs(サイフス)です。

 

今回は段取りについて考えます。

段取りとは「事を運ぶ順序・仕方、手順」と解されますが、仕事という点からみると更に「準備」という概念が付加されると考えています。

一般的に「建築物や工業製品等といったシステムの具現化のため、必要とする機能を検討するなどの準備」といえます。モノやシステムへの統合化の過程を指すといえます。

私は「ビジネス」を回す、作りこんでいくための過程を指す言葉だと考えています。

 

中小企業で新しい取り組みを進めていこうという話になり、事業戦略、計画及び製品、サービス等の具体化を検討し実施していきます。

作りこんできたものを、いざ進めていこうとします。

しかし、その段階で「段取り」が問題として表出化していきます。

ある目的に基づき「誰が」「何を」「どのように動くのか」を具体的に可視化する必要があります。

コンサルタントは助言はするが、基本的に手は出しません。

ここで多くの企業さんが躓きます。

 

計画が具体化されるということは、実行していく過程です。社内の誰かが動くことが求められます。

小規模所帯で、社長がすべて動いてやる場合は問題がありませんが、社長以外の誰かに動いてもらうということは相当な至難の業だといえます。

また、社員の誰かに動いてもらったとしても戦略(戦術)に基づく方向性を意識しながら、事業について製造・サービス、営業、保守等まで含めて考えてもらわなければなりません。

結果、なかなか上手くいかなくなりとん挫するのです。

 

では、段取りを率先的に進めていける体制を構築するためにはどうすれば良いのでしょうか。

私は以下のような視点が「段取り人」の育成において重要だと思います。

・段取りが会社の目指すビジョンに到達するためのギャップを埋める強力な手段だと全社で認識する

・失敗の発生を会社として受け止める

・行動した人が勝手に(独善的に)行動していると他の社員に思わせない

・仮説を検証していける会社にする

 

社長は会社の長で、会社の方向性そのものであるため、社長の行動に社員が付いてきて自然発生的に段取りが生じるといえます。一方、社員は他の社員や社長からそう思われないことがあります(社長が指示しているにもかかわらず)。そうなると、いくら一社員が頑張っても段取りが上手くいかない可能性があります。

 

そういうことを踏まえると「段取り人」の育成においては、事を起こす・動くことを会社の社員において重要な評価項目として設定することが求められると考えられます。

動いて、調整して、考えて、取り組んで、失敗するかもしれない、そのプロセスを認めて支援しないとできる「段取り人」は育ちません。

 

結果だけ見るのは良いですが、動くことに周りの賛同が得られない中で行動していくと、独善的な動きが出てきて、負の結果が出てくることが考えられます。

 

また、そういった視点がない中で失敗や方向性の修正を認めていかないと貴重な人材を失うことになるかもしれません。

 

お気を付けください。