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【分析】菅政権における成長戦略の策定② 中小企業診断士の行方

こんにちは中小企業診断士、ストリートコンサルタントのCyphs(サイフス)です。

 

当Blogの「菅政権における成長戦略の策定」の記事において中小企業施策の大きな変更が生じることについてお伝えしました。

 

その中で一点だけ解説していない項目があります。

それは「中小企業診断士制度の在り方」です。

どのように明記されているかを以下全文示します。

 

中堅・中小企業の経営を担うことのできる人材の裾野を広げていくため、中小企業診断士制度の在り方やその活用促進について、検討を深め、年度末までに結論を得る。

 

つまり、成長し、生産性を高めていくような中堅・中小企業を支援できる診断士を育てるというものです。

制度の在り方を見直すということですが、中小企業診断士更新研修が厳しくなるのでしょうか。それとも診断士の試験の難易度を上げるのでしょうか。

 

今回の戦略の柱では、アフター「トランプ」後の世界で再度動き始めると思われる脱カーボン、グリーン戦略、SDGsといった方向性に向けて日本が勝っていくために必要なテクノロジーの創造強化を進める。創造強化のためには、悪化する日本の人口動態を見据えた働き方をDXや人材の有効活用により達成するということです。その方向に中小企業も組み込まれるわけです。

 

中小企業政策の直近の流れを示すと、1999年の中小企業基本法の改正で戦後の下支え政策から転換し自助努力を促しました。

その後中小企業憲章を踏まえて、2013年に小規模企業を中小企業と別の枠組みに位置付け、小規模企業は持続することが国や地域社会において重要であるという思想のもと下支えするという方針に転換しました。

そして、今回は小規模企業を除く中企業に対して更なる成長を促す方向性になったともいえます。

政治的な方向性の変更はつきものですが、かなり飛躍した感じがありますね。

 

私が関わる案件は、小規模企業の方が大半で中堅・中規模はあまりないですが、中堅・中規模企業になると経営が組織化、専門化されて経営されています。そのため、技術開発や営業についても自前で可能といえ、特殊な案件以外ニーズが少ないような気がします。もちろん組織的に活動する診断士の集団や専門領域の診断士であればそれらに対応しているかもしれません。

 

基本的に中堅企業さんの多くは、既存に大手との取引を持っています。

それが取引が生命線であり、その付き合いがない状況を想定していない企業の方が多数だと思います。

そのため幅を広げるよりも死守することが第一というマインドの方が強いような気がします(もちろんやる気満々で10年後に1兆円規模になると宣言する売上うん億円程度の企業もありますので一概にはいえませんよ!)

 

では、どのような中堅・中規模企業に対する支援が求められるのでしょうか。

恐らく以下のようなものだと思っています。

・会社の財務を分析して「投資戦略を策定する」

・M&Aのアドバイザリー

・海外展開の支援

・研究機関とのつなぎや技術開発のファシリテート

・新製品開発(大手企業にない独自領域の開発拡大)

・提案型企業への脱皮

・海外規格への適合

しかし上記については、一人の診断士でできる限界があるともいえます。

その会社に対して方向性を示すだけでなく、行動を促すためのアウトプットから行動の仕方まで示唆するためには、負担はそうとなモノとなります。

そうなると中小企業診断士協会が仕事を受けてやるのでしょうか。

なんだか機動性が悪いような気もします。

 

もちろん上記は妄想ですので、当たるかは分かりませんが、中小企業診断士の位置づけを変えるという点について最後に一つ予想を出してみます。

 

<予想>

「特定中小企業診断士」のような位置づけを増やして中堅も対応できますよという動きがとられる!

当たるでしょうか。来年の3月くらいには大体わかると思いますので、その際に語らせていただきます。

 

私も頑張らねば。取り残されしまいますね。

 

おっと次の仕事だ。